教員の多忙化は解消不可能?文科省よりも民間企業を見習うべき?

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文部科学省では、教員の長時間労働や超勤を解消するために何をしているのでしょう。

文部科学省では、教員が子供と向き合える時間の確保等を目的として、各教育委員会に対して、学校現場における業務改善の一層の推進に向けた支援に努められるよう、お願いしているところです。

(引用元:文部科学省のサイト)

「子どもにわかりやすく教えなさい」と言っている文部科学省が、こんな「わかりにくい」文章を書いてよいのでしょうか。

まあ、ぼやきはそれくらいにして、「本当に教員は忙しいのか」についてまとめます。

なお、この記事は連作での3部目です。

参考→教員の長時間労働を文科省はどうするの?保護者は何時でも電話してくる?

参考→教師の長時間労働の中身は何?世間話や会議が長くて過労死寸前?


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庶民のことばに訳すると

最初に紹介した文部科学省の文章ですが、要するに

・教員の仕事量を減らして、授業の準備や子どもとのふれあいに時間をとれるようにしたい。

・そのために、教育委員会が何とかしろっ。

となります。


教育委員会は

責任を振られた教育委員会は何をしているかというと、

・調査や報告を減らす。(教員は事務作業が苦手でやたらと時間がかかる)

・教員のサポートをする人を増やす。(カウンセラーとか)

・部活動が休みになる日を作ってくださいと呼びかける。(週1回はノー部活デ―とか)

・校長に責任を振る。(遅く帰る人に早く帰れという?)

ということです。もう笑うしかなーい世界です。これで効果があると本気で思っているのか?エリートさんたち!

いや思っていないでしょうね。おそらく「我々も深夜まで残業しているのだから、教員もそれくらいやるべきだろう」「どんな業種も人を減らされて苦しんでいるのだから教員だって苦しめよ」というのが本音でしょう。

さらに教育委員会というのは、もともと上意下達の組織ではなくボトムアップの組織なのです。まあ数年前に首長の支配下にはなりましたが。そんな組織に責任を振ったところで効果はありません


民間企業は

アクセンチュアという超有名企業が、長時間労働を無くすために数年前から取り組んでいる内容はとてもシンプルです。

・「早く退勤した人(部署)の方が売り上げが多い」という事実を壁に掲示する。

・「早く仕事を終わらせるコツ」をイントラ等で共有する。

以上です。

さらに最近は、

・採用の男女比を1:1にする。

・週3日勤務というオプションもあり。(介護や育児に重点)

・兼業OK

という方針も出しています。

知る人ぞ知る外資系コンサルの雄、あのアクセンチュアです。30で家が建ち、40で墓が建つといわれた超高給&会社のソファで寝る企業がこんな方針を出す時代なんですね。

ポイントは最初の点

・「早く退勤した人(部署)の方が売り上げが多い」ことを壁に掲示する。

だと思います。

なぜ早く変える人の売り上げが多い(つまりクライアントに利益をあげさせられる)かと言えば、家族を大切にすることで「時代のニーズ」がつかめるからなんですね。


私生活が仕事に生きる

独身ならば、フットサルをしたりして会社以外の人間関係を作ったり、映画やお芝居をみて「時代のリズム」をつかんだりできるのです。

結局コンサルって「流れに乗っているけど目立つ」:(あ!あれいいな)そんな商品を提案できるかどうかですよね。「目立つけど川岸に漂って」いたり(:大丈夫?あれ)、「流れについて行ってない」(おそいよ!あれじゃという商品では魅力がありません。

教員は売上高比較ができないので、意識(常識)を変えるインセンティブとしてはアクセンチュアと同じものは使えません。

しかし「忙しい」という漢字は「心」(りっしんべん)が無い(亡くなる)という象形が表す通り、相手の気持ちを思いやる余裕をなくします。相手とは子どもであり、その保護者であり、同僚です。

まずは「早く帰る先生は、いい先生」というキャンペーンポスターを作ったらどうでしょう。今、多忙化解消でいろいろやってますけど、そこに人件費や時間をかけるよりも有効でしょう。


さて、それでは前回・前々回から続く「教員のおしごと」紹介コーナーです。

参考→教員の長時間労働を文科省はどうするの?保護者は何時でも電話してくる?

参考→教師の長時間労働の中身は何?世間話や会議が長くて過労死寸前?


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相談に乗ること

生徒が相談する・・・・。 まあ、ものが無くなりました、とか、いやなことをいわれました、とか、最近おなかがいたいです、とか、いろいろありますね。

じっくり聞くと、実は別の問題をかかえていたりするのです。だから、てきぱきと処理しないでじっくりと話を聞かないとだめです。当然、放課後になります。


休日にあった非行について事情聴取

月曜日または火曜日、実はこの週末警察につかまっていた、なんていうことが発覚することがあります。深夜に公園で騒いでいたとか、万引きとか、喫煙とか家出とか。

はっきり言って、土日は保護者が監督しないといけません。別に学校が責任を負う必要はないのです。

しかし、そんなことをしている子どもは「門限なし」「おこずかい結構あり」「スマホあり」というパターンが多く、家庭では子どもが王様です。もちろんそうなってしまっている原因は保護者よりも別にあるとは思います。

しかし保護者がしっかり監督できないのであれば、学校でお説教しておかないとエスカレートしていって「おたくの学校の生徒はどうなっているのだ!」とクレームの電話が入ることになります。

そうなるともっと仕事が増えるので、早めに指導します。もちろん放課後です。ほとんどの場合、保護者に来てもらいます。合って報告しておかないと「なんでうちの子を叱るの」と保護者からクレームが入るからです。

保護者に報告していると遅い時間になります。家庭訪問することの方が多いかな。どちらにしても退勤は遅くなります。


子ども間の金銭貸し借りトラブル解決

1年間に数回くらいはこういうトラブルがあります。レアなカードを返してくれないとかもありますね。最近はカードもデジタルの世界でやり取りしているので、現物を学校に持ってこさせて返却させるってできません。

加害者と被害者、両方の保護者とうまく連携して、調整、解決する能力が必要です。たまにそういうのが苦手な若い先生がいて苦しんでいますね。そういうスキルって大学で教えてもらうものではありませんから。

学校外でのやりとりでも学校が解決するのが当たり前です。なぜなら、やりとりのあった人間関係はクラス内とか部活内とかですから保護者同士の面識がありません。これが小学校の少年団サッカーチーム内で起きたトラブルなら学校が解決する必要はありません。

ウチの子の不始末は親である私が全部責任を取ります。って言って関係したお宅を回ってくれる保護者ばかりならだいぶん仕事が減りますね。


研究授業に向けて授業指導案の作成

毎年、今年は誰の番?みたいになることもある研究授業。要するに授業を公開して同僚に見てもらい、みんなでより良い授業を作る研究をするのです。たいていは大学の先生も助言者として参加します。

この授業そのものよりも大切なのが、授業の計画書である「学習指導案」です。そこには、「単元の計画」「単元の目標」「本時の目標」「教材観」「生徒観」「指導観」「評価の基準」「予想される生徒の反応」「教師の発問」「留意点」などなど、いっぱい書くのです。

大学の先生は、指導案をみれば実力がわかるという人たちです。しかし問題は、大学によって指導案のスタンダードが違うということです。ですから「どう書けば正しいのか」という見本がないのです。

当然、教員それぞれが考えている「理想的指導案」はバラバラです。なので肝心の「わかりやすくてたのしい授業」の工夫よりも、指導案というドキュメントの作成に膨大な時間をとられるのです。

私は、こういうスタンダードはいかが?という提案を教職員組合の研究集会で発表したことがあります。若い先生を中心にとても好評でした。京都教育大学のスタンダードをもとにして、ちょっとあやふやな部分をはっきりさせたのです。

これなら誰でも2時間あれば書ける、慣れれば1時間で書けるという授業細案のひながたです。スタンダードから逸脱したにもかかわらず京都教育大学のすごくえらい教授にもほめてもらいました。コメント欄に書きこんでいただければ、情報をさしあげます

授業を公開して討論し改善するのはとても大切です。しかし、ドキュメントに時間をとられるのは労多くして益なしです。滅びゆく組織によくある傾向ですよね、重箱のすみをつつくような論議をして会議室からなかなか出てこないというのは。


まとめ

まだまだあるある教員の(授業以外の)仕事ですが、長くなってきたので続きは後日書きます。

まあしかしあれですね。本当に社会全体が「私生活を大切にしよう」という空気にならないとだめですね。

ドイツも第二次世界大戦からの復興にがんばりすぎて男たちが残業バリバリの頃があったのです。そこで「パパを家庭に取り戻せ!」というキャンペーンが張られて社会のムードが変化しました。

そして今や世界で最も勤務時間の短い国になりました。金曜の午後は基本的に仕事の電話やメールはしません。有給取得率はほぼ100%です。それでも一人当たりの生産高は日本よりもはるかに上です。

ドイツでは、休暇が多くて早く帰れる企業ほど優秀な人材が集まるので企業は残業撲滅に必死です。

有名企業がそうやってリードするので、社会全体が「私生活第一」になるのです。

難民受け入れなどで苦しんでいる国でもありますが、一人で何人分もの仕事をしないので難民ともワークシェアリングができているともいえます。

日本も「高度経済成長時代やバブル期の幻影」から抜け出すときが来てほしいものです。


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  • 2017 07.26
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